DXコラム

2024.02.05

クラウドサービス活用のポイントと注意点

クラウドサービスとは、インターネット上にあるサーバーにアプリケーションやデータを保存・処理するサービスのことです。総務省の通信利用動向調査によると、日本の企業の約7割がクラウドサービスを導入していますが、皆さんの会社では、クラウドサービスをどのように活用していますか?弊社では、業務効率化やコスト削減、イノベーション創出などの目的で、数多くのクラウドサービスを導入しています。今回は、クラウドサービスの活用の観点と、導入にあたっての注意点について、ご紹介したいと思います。

 

■クラウドサービス活用のポイント
クラウドサービスを活用するメリットは、さまざまな観点から考えられますが、ここでは、以下の3つの観点に絞ってお話しします。

 

ノーコード開発が可能
プログラミングの知識やスキルがなくても、クラウドサービスの提供する機能やテンプレートを組み合わせて、オリジナルのアプリケーションやシステムを作成できる「ノーコード開発」は、開発コストなどの外注費を抑えられるだけでなく、要件の漏れや追加などへの機動的な対応ができるという意味で大きなメリットがあります。弊社では、IT部門の開発工数を削減できているほか、業務部門による設定も増えてきています。業務部門が設定できるようになると、業務が変更となった場合などに迅速で臨機応変な対応が可能となるほか、要件定義コストの削減や業務担当者のITスキルの向上にも役立ちます。

 

インフラ運用・情報セキュリティ対策の負担が軽減
数多くのシステムを運用しているなかでオンプレミス型の環境を自社で管理していくことは、コスト面においても管理工数面においても大きな負担となります。クラウドサービスは、サービス提供者がインフラの構築・管理・更新・保守を行ってくれることや、情報セキュリティの対策・監視・改善を行ってくれるため、自社でインフラや情報セキュリティの管理・運用(技術面)を行う必要がなくなります。クラウドサービスの選定責任はあるためすべての負担がなくなるわけではありませんが、運用にかかるコストや工数を削減することはDXを推進していくうえで不可欠なステップです。

 

業務見直しの機会となる
クラウドサービスは、汎用的な機能やテンプレートを提供するものが多いため、業務に合わせてカスタマイズする余地がスクラッチ開発と比較して少ないことが多いです。その際、業務をシステムに合わせて変更することを検討する機会が発生します。
弊社では、システムが保有する機能に合わせた業務手順を検討する過程で、業務の無駄や非効率を発見することができ、業務フローの最適化が行われることが多々あります。”システムに合わせる”ことは、検討の手間がかかることなどの理由で業務部門は嫌がりますが、結果的に、開発コストの削減や要件漏れのリスクの低減にもつながるため、強くお勧めしています。

 


“クラウドサービスの活用は今後の保険代理店運営に不可欠”

 

■導入にあたっての注意点
クラウドサービスを活用するメリットは多くありますが、導入にあたっては、いくつかの注意点があります。ここでは、以下の2つの注意点について、ご紹介したいと思います。

 

情報セキュリティ面の精査
クラウドサービスを利用する場合は、弊社の情報セキュリティポリシーに沿った審査を行っています。もし審査基準を制定されていない場合は、国の情報システムのクラウド化に関する方針や基準を示した文書を参考にするとよいでしょう。また、これもまた面倒ではありますが、導入を検討中のサービスの利用規約を確認して、稼働保証や損害賠償規定、事故発生時の連絡・対応などの項目はしっかり確認しておく必要があります。

 

既存システムとのギャップ
クラウドサービスに移行すると、機能や性能が低下する場合があります。これはあらゆるシステム移行に共通する問題ですが、特にスクラッチ開発したシステムからの移行は要注意です。スクラッチ開発したシステムは現行業務に合わせてカスタマイズされたものであることが多いため、クラウドサービスが備える標準的な機能だけでは不十分な場合があります。そのため、クラウドサービスに移行する前に、クラウドサービスでできることと、自社の業務で必要なことを比較して、ギャップを埋める方法を検討する必要があります。その比較を正確に行うには時間と労力がかかるが、”できないことは新しいシステムに合わせる(新たな業務手順を検討する)”という考え方に対する業務部門側の理解と協力が不可欠です。クラウドサービスの導入は、業務改革のプロジェクトとして推進する観点が必要なのです。

 

クラウドサービスは、システムの開発コスト・運用コストを大幅に削減できるだけでなく、顧客対応などの保険代理店のコア業務にリソースをシフトできるようになります。これは、保険代理店DXを推進するうえで大きなメリットとなります。ただし、クラウドサービスを効果的に活用するには、活用の観点と注意点を把握し、適切に導入することが必要です。

 

以上、一助になれば幸いです。

 

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(編集長・P太郎)

 

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