DXコラム
2024.04.30
【ユーザーインタビュー】業務部門によるノーコード開発をkintoneでトライ!
本稿は、業務部門がノーコード開発に取り組んだ事例を紹介した「業務部門によるノーコード開発をkintoneでトライ!(2024.4.30)」に基づいたインタビュー記事です。この記事では、実際にノーコード開発を手掛けた業務部門の担当者に話を聞き、業務担当者の視点からノーコード開発についての見解を紹介します。業務担当者の捉え方を、皆さまの会社でのノーコード開発の推進にお役立てください。
P太郎(聞き手):お二方、今日はお時間いただき、ありがとうございます。お二人がチャレンジしたkintoneによる業務システム開発についてお話をお聞かせください。どうぞ宜しくお願いいたします。
N氏(事例1担当者):承知いたしました。宜しくお願いいたします。
M氏(事例2担当者):はい、宜しくお願いいたします。
・業務担当者について
P太郎:まずお二人について教えてください。これまでの経歴とご自身のITスキルについて教えてください。
N氏:新卒で入社し今年で11年目となります。9年間は営業部門で法人営業を担当し、直近は企画部門と管理部門の業務に従事しています。直近の業務ではエクセル・パワーポイントを使うことが多いのですが、ITスキルはOffice製品を使用する程度です。
M氏:私は入社8年目になります。Nさんと同じく、法人顧客に対する営業活動を担当してまいりました。ITは得意ではありませんが、日常的にパソコンを使うことが多いので、ITへの抵抗感はありません。
・kintone使用歴
P太郎:お二人とも、いつの間にか若手から中堅人材に差し掛かっているのですね。これまでの仕事のなかでkintoneはどのように使っていましたか。その感想も教えてください。
N氏:法人営業を担当していた頃に案件の管理や上長との報連相のツールとして使用していました。案件毎に未着手、見積案内、完了などステータスで管理し、進捗状況の確認に役立てていました。また、顧客対応の履歴を入力すると自動的に上長へ入力をした旨のメールが飛ぶので、一手間省けて便利だなと感じていました。一方で、1ページに表示される件数が100行までと、一覧で確認できない点は少し不便に感じました。
M氏:はい、私も法人営業担当者として同じ使い方をしていました。パソコンだけではなく、スマホからも活動履歴の記入ができるため、移動時間や顧客訪問時の隙間時間にタイムリーな報告ができることがなにより便利に感じています。オフィスに戻ってからは他業務を優先することができるので残業時間の削減にも役立っていると思います。一方で、導入当初は、データのメンテナンスをきちんとやらないと重複データが発生してしまったり、営業担当者としては不要と感じる項目があり入力の手間を感じる場面もありました。
・自身で開発することになったときの印象
P太郎:不便に感じる点も含めてありがとうございます。kintoneのユーザーとしては日常的に使用されていて、活用意義を感じていたと理解いたしました。今回、kintoneで業務アプリを開発してみないかと打診されたときの率直な感想をお聞かせください。
N氏:ITの成果物を作ったことが無いので難しいだろうなと感じていました。ただ、活用する事の便利さは知っていましたし、都度IT部門の方に照会するより自分で作成できた方が任意のタイミングで改修もできますし、後の楽を考えてやってみようと思いました。
M氏:今回、新しい営業部門の設立にあたって、専用アプリを作成するという話を伺った際に、法人営業の管理アプリのユーザーとしての観点を活かすことで、より便利に・より不便な点は少なくしたいと思い伴走開発に立候補しました。
・実際に取り組んだ感想
P太郎:お二人とも前向きですね。自身で取り組むことで「よりよいものができる」とか「すばやく対応できる」というイメージを持って取り組まれたことは業務部門によるノーコード開発においてすごく重要なポイントだと思います。実際に自身で開発してみて、どうでしたか?思ったより簡単でしたか?難しかったでしたか?
N氏:思ったより簡単に作成することができました。今回、とあるプロジェクトの案件管理のためにkintoneでアプリを作成しましたが、管理したい項目をドラッグ&ドロップで追加や配置変えできたりし、ビジュアル的にも分かりやすく作成できたのが良いなと感じました。また、作成して良かったなと感じた点は、日常業務の時間効率が大幅に上がったなと感じた点です。まず、kintoneというフォーマットに情報が一元集約されるようになり、基本的な事ですがどこに何の資料があるのかが明確になりました。他にはプラグインを使用してデータをダッシュボード化したことで、従来はデータの詳細を辿るには別の資料に遷移していましたが、ダッシュボードにポイントすると対象の案件のみが抽出されるので、事前に何組も資料を準備する必要が無くなったのが非常に良かったなと感じております。
M氏:想像をしていたよりも自分の想像に合わせた加工が手軽にできたことは良かったです。この項目はあったほうがよいのではないか、これは必要ないのではないか、という作業を容易にできるため、ベースとなる専用アプリを短時間で作成することができました。率直に伴走開発の経験を積ませていただいたことに感謝しております。一方で、予め準備されている項目以上の加工をする必要が生じた場合にうまく対応ができるのか?という不安は少しあります。とはいえ、営業部で必要とするような項目は準備できたので大きな不安ではありません。
P太郎:余談ですが、伴走開発は最初だけのサポートではないです。運用していくなかで改修は発生していくものです。ご自身でできない部分はまた伴走開発の時間を設けて支援しますのでお気軽にお声がけください。
M氏:分かりました。ありがとうございます。その時は遠慮なく相談させていただきます。
・伴走開発支援について
P太郎:今回、IT担当者とミーティングをしながらの対話型開発で進めましたが、このIT担当者による伴走開発支援の出来栄えはどうでしたか?忌憚ないところをお願いします。
N氏:自分で一から調べてやるのと、やり方を指南してもらいながら作るのとでは、時間効率がまったく違うという実感はあります。また、自分ひとりで完成まで持っていくことのストレスがかなり軽減されるので必要な支援と思います。後になって考えると、実際の業務や使い方を想定しながら先回りしてアドバイスをしてくれるところもありがたかったです。
M氏:Nさんが仰ったことは僕も同感です。加えて、業務部門から見たときには不要でもシステムとしては必須なことやその逆も含めて、業務部門とIT部門の認識に相違があることに気づくことができたため、意見を出し合いながら進める開発の必要性を知る良い機会になりました。また、開発の難易度を知らないうちは、難易度やコストを勝手に想像してシステム化の選択肢を外してしまいがちです。一定のIT知識を蓄えておくで、システム化の可否・正否を業務部門である程度は検討することができるため、営業活動の差別化を生み出す武器にもなり得ると感じています。
・今後の取組について
P太郎:お二人は、ベースとなるアプリを自身で構築され、基本的な知識を習得されたと思います。今後はどのように取り組まれていく予定ですか?また、業務部門によるノーコード開発のオススメ度合いもお聞かせください。
N氏:まず今回作成したアプリについては、ステータスの区分や追加必要な情報を吟味し、より効率的に分析ができる様にブラッシュアップしていきたいです。また、設定が思いのほか難しくなかったため、案件管理・データの一元化を検討されている方には推奨していきたいと思います。
M氏:僕も、今回、作成したページを上長や他課員の意見を踏まえてより良いものへ改良を重ねていければと考えています。食わず嫌いでITへの苦手感がある方も多いと感じますが、kintoneはそのような方の克服にも向いている良いアプリだと思います。皆が一定のレベルで作業をできるようになれば、より良い営業活用・業務運用にも繋がる可能性は広がるため、多くの従業員に体験してもらいたいです。
P太郎:ありがとうございます。そういえば、Nさんはすでに別件で新たなアプリを作成したと聞いていますが。
N氏:はい。今回のアプリ作成を経験して、作成のハードルが低いなと感じた事が大きかったです。これぐらいの難度であれば別の案件もアプリ化してみようと、苦手意識なく思えましたし、実際に2つ目のアプリは30分もかからずに作成することができました。
P太郎:本日はご多忙のところ率直な感想をお聞かせいただきありがとうございます。今後も継続して取り組んでいただくことでどんどんスキルアップしていけると思います。もし、自身で取り組むなかでスタックしてしまう場面が出てきたらいつでもIT部門の担当者に相談してもらえればと思います。
N氏:はい、こちらこそ引き続き宜しくお願いいたします。
M氏:はい、分析ダッシュボードを作成するときにはまた伴走開発をお願いさせていただきます。
“業務部門による主体的な取組とIT部門の業務知識が肝要”
以上、一助になれば幸いです。
【本稿インタビューのもととなる事例記事】
業務部門によるノーコード開発をkintoneでトライ!(2024.4.30)
(編集長・P太郎)
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