DX事例

2024.08.19

PowerAutomate for DesktopによるPDF分割ツールの作成

こんにちは。編集部員の”まんでがんうどん”です。

今回はPowerAutomate for Desktop(以下、PAD)を活用したPDF分割ツールをご紹介いたします。
みなさまも一つPDFファイルを特定ページだけを抜き取って保管したり、ファイル容量が大きくて分割したなどのご経験がおありかと思います。PDFファイルの分割ツールは、オンライン上で無料で利用できるものや、市販のPDF編集ソフトなどがありますが、オンラインツールの場合、PDFファイルをアップロードすること自体が気になったり、市販ソフトはお金がかかるし。。。などと感じている方もいらっしゃるかと。。。
じつはPADにも「PDF編集機能」が装備されていますので、当機能を活用して簡単にPDF分割ツールを作成することが可能です。

 

■機能概要

当ツールは、一つのPDFファイルに対して特定のページのみを抽出したPDFファイルを作成するツールです。
例えば、PDFファイルの3ぺージと5ページのみ抽出したPDFファイルを作成できたり、ページ数の多いPDFファイルを章単位で分割することでファイル容量を少なくし、また検索性を高めることが可能となります。

 

■操作方法と設定内容

操作方法およびPAD設定内容を合わせてご紹介いたします。

(1)抽出対象PDFファイルの選択
まず、抽出したいPDFファイルと抽出対象ページを「抽出情報入力画面」から指定します。

PADの設定は「メッセージボックス>カスタムフォームを表示」を使用します。「カスタムフォーム」は、任意の項目を自由に設計できる点がメリットです。

 

(2)抽出したPDFファイルの格納先選択
つぎに、抽出したPDFファイルの格納先を「フォルダの参照画面」から指定します。

PADの設定は「メッセージボックス>フォルダの選択ダイアログを表示」を使用します。

 

(3)抽出したPDFファイルのファイル名を設定
つづいて、抽出したPDFファイルのファイル名を「出力ファイルの設定画面」から指定します。

PADの設定は「メッセージボックス>入力ダイアログを表示」を使用します。

 

(4)処理実行
処理対象の各種情報が揃いましたので、つぎに抽出処理を実行します。
PADの設定は「PDF>新しいPDFファイルページの抽出」を使用します。「PDFファイル」と「ページ選択」には上記(1)で生成された変数をセットします。
注意点としては変数内には「カスタムフォーム」で設定した各項目のIDを追記することです。当設定により入力情報を特定することが可能となります。
また「抽出されたPDFファイルのパス」には、上記(2)(3)で生成された変数をセットします。

 
 

(5)抽出処理を完了後、「処理完了メッセージ」を表示します。
PADの設定は「メッセージボックス>メッセージを表示」を使用します。
表示するメッセージに「%UserInput%.pdfを作成しました」と変数を設定することで、上記(3)で命名したファイル名が表示できます。

 
 

当フローの機能概要および設定内容は以上となります。


■PowerAutomateの有効活用

今回は、PDF分割ツールを簡単に作成できる方法をご紹介いたしましたが、当ツールの他に「PDF結合ツール」(複数のPDFファイルを一つのPDFファイルに集約)も簡単に作成できます。両ツールを活用することでPDFファイルの切り貼りが自由にでき、効率的なファイル保存や提案資料作成などの効率化に繋がればと思います。(「PDF結合ツール」の作成方法は次の機会にご紹介とさせてください)
PADにはさまざまな機能が装備されていますので是非お試しいただき、日々お忙しいみなさまの一助になれば幸いです。

 

(編集者・まんでがんうどん)

 
 

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