DX事例

2024.07.22

PowerAutomate for Desktopによる複数フォルダ圧縮作業の一括処理

こんにちは。編集部員の”まんでがんうどん”です。

今回はPowerAutomate for Desktop(以下、PAD)を活用した複数フォルダ圧縮作業ツールをご紹介いたします。
みなさまも毎日多くの仕事を進めているなか、気が付いたらパソコンや共有フォルダ内の容量が逼迫していた!といったご経験がおありかと思います。そして容量を空けるために、「フォルダ毎に圧縮作業を一つ一つするのが面倒くさい。。。」と感じながらも、コツコツと作業を行っているかと。。。
フォルダ毎の圧縮作業を一括して行う方法として、Windowsコマンドプロンプトを利用してバッチファイルで実行する方法がありますが、PADにも「圧縮機能」が装備されていますので、簡単に圧縮作業(ZIPファイル化)の自動化ツールを作成することが可能です。

 

■機能概要

当ツールは、フォルダ内のサブフォルダに対してフォルダ毎に圧縮作業を行うツールです。
例えば、案件管理フォルダ配下の複数の案件フォルダ(A案件、B案件・・・)をフォルダ単位に自動でフォルダ圧縮することができます。
これで、過去案件の情報を見たい場合もすぐに探し出せて、ファイル空き容量も確保できます。
ご紹介するツールは、圧縮対象フォルダと同一フォルダ内にZIPファイルが作成されるようにしています。
また、圧縮元フォルダを圧縮処理後に削除するか否かを選択する機能も設定しています。

 

■操作方法と設定内容

操作方法およびPAD設定内容を合わせてご紹介いたします。

(1)処理対象フォルダの選択
まず、圧縮したいサブフォルダが格納されているフォルダを「フォルダ参照画面」から指定します。PADの設定は「メッセージボックス>フォルダの選択ダイアログを表示」を使用します。

 

(2)処理実行
圧縮したいサブフォルダを特定しましたので、つぎに圧縮処理を実行します。処理フローは下図の通りです。

 

①処理対象フォルダ内のサブフォルダを取得します。
PADの設定は「フォルダ>フォルダ内のサブフォルダーを取得」を使用します。「フォルダ」には上記(1)で生成された変数をセットします。

 

②サブフォルダと同じファイル名でZIPファイルを作成する処理を繰り返し実行します。
PADの設定は繰り返し処理を行うため「ループ>For each」を使用します。
「For each」の反復処理を行う値に上記①で生成された変数をセットします。
また、繰り返し処理として「圧縮>ZIPファイル」を使用します。
ZIPファイルにはパスワード設定もできますので要件にあわせて設定するとよいです。

 

③全ての処理を完了後、「処理完了メッセージ」を表示します。
PADの設定は「メッセージボックス>メッセージを表示」を使用します。
今回は表示するメッセージに「フォルダ圧縮処理が完了しました」と設定しましたが、
上記②の繰り返し実行時に処理件数をカウントすることで「〇〇件処理しました」などの表示もできます。

 

(3)圧縮元フォルダの削除選択
圧縮処理完了後、圧縮元フォルダを削除するか選択します。
PADの設定はYes/Noのいずれかを選択するため「メッセージボックス>メッセージを表示」を使用します。

 

①Yesの場合(削除実行)
圧縮元フォルダの削除を行います。PADの設定は「For each」を使用して上記①で生成された変数をセットし、
「フォルダ>フォルダの削除」を使用して繰り返し削除処理を実行するようにします。
削除処理の完了後に「圧縮元フォルダ削除完了メッセージ」を表示します。

 

②上記以外(削除しない)
圧縮元フォルダの削除を行わずに処理完了します。
「メッセージを表示」を使用して、「圧縮元フォルダを残したまま処理完了しました」を表示します。

当フローの機能概要および設定内容は以上となります。


■PowerAutomateの有効活用

今回は、忘れたころにやってくるフォルダ圧縮作業の自動化ツールをご紹介いたしました。実は私(まんでがんうどん)も容量問題に直面して、コツコツ圧縮作業の時間は取れないと思い、当ツールの試行版を10分程度で作成しました。(今回ご紹介したバージョンは+20分程度でチューニングしました)
このようにPADはチームで共有しながら利用するほかにも、個人的にメンドウクサイ(?)作業もサクッと作成して業務に利用することができます。是非PADをお試しいただき、日々お忙しいみなさまの一助になれば幸いです。

 

(編集者・まんでがんうどん)

 
  

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