DX事例

2024.07.16

開発者視点から見るAI-OCRによるペーパレス化【PART-2】

こんにちは、ペンネーム・傾奇者と申します。
今回は前回の「開発者視点から見るAI-OCRによるペーパレス化【PART-1】」に続き、受領編について詳しく解説します。 今回も開発者の視点から感想を織り交ぜて詳しく記載します。

 

本PARTでは、外部システムから社内システムへのデータ受領プロセス(概略図の青色点線で示された部分)について説明します。

外部システム領域では、PDFファイルをストレージに格納する機能を持っています。 一方、社内システム領域はPDFファイルを基幹システムに添付する機能を持っています。

 

概要

 

①PDFファイルのダウンロード

テキスト抽出されたPDFファイルを、ベンダー指定のサイトからダウンロードします。基幹システムは早朝に起動するため、ダウンロードも同時刻に行われるようスケジュールされています。

(所感)基幹システムは夜間に処理を行うため、オンライン時は利用できません。そのため、前日にスキャンしたPDFファイルは翌日に基幹システムに取り込まれる流れが利用部門にとってポイントです。

 

②基幹システム取込処理 

PDFファイル名は、予め定められたネーミングルールに従ってスラッシュで区切られています。このルールに基づき、保険会社名や証券番号などを用いて基幹システムで契約データを検索し、ファイルを添付します。

 

  ネーミングルール:部署ID/取込日時/カウンタ/保険会社名/証券番号主番/証券番号枝番.pdf

 

また、スキャンされた申込書ファイルと契約データの作成にはタイムラグがあり、未取り込みの申込書ファイルについては、3カ月間取り込み処理を行うよう担当部門から要請がありました。この機能も実装されています。

(所感)この取込処理がちょいちょい言うことを聞いてくれません・・リトライをかけると正常に終了します。30分以内で終わるものは100%正常終了するのですが、1時間半以上かかるこの処理は、ネットワークの瞬断などPCで発生するイベントの影響を受けやすいように思います。まぁ当面はこの状況と仲良くやっていくしかないですね(笑)  

 

③PDFファイルの削除

概略図には記載されていませんが、サーバの容量が逼迫することを防ぐため、各種ファイルの削除機能を実装しています。AI-OCRで使用するフォルダは以下のような構成となっており、作成日から90日以上経過したファイルを週次で自動削除します。

 

ディレクトリ

 

まとめ

私が興味を持ったのが、申込書を作成してから契約データは3か月後に作成されるものもある、という点です。
弊社では、契約データを作成する際には、主に共同ゲートウェイを通じて保険会社から送信される定保のデータを利用しています。私は契約データの作成に数日のタイムラグが生じることはあると考えていましたが、3か月ものタイムラグが存在することについては、少し疑問を感じています。少し掘り下げると、保険会社では契約データが具体的にどのように作成されているのか、その詳細についても気になりました。AI-OCRとはあまり関係がないですね(汗)

 

以上、PDFファイルのダウンロードから基幹システム取込までのプロセスを説明しました。次回PARTでは、数か月間計測した結果を記載します。

 

(編集者・傾奇者)

 

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【連載記事】

⇒ 「AI-OCRによるペーパーレス化で業務効率化と顧客サービスの向上を実現」
⇒ 「開発者視点から見るAI-OCRによるペーパレス化【PART-1】」
⇒ 「開発者視点から見るAI-OCRによるペーパレス化【PART-3】」

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