DXコラム
2025.01.20
運用保守の重要性とその役割:次年度組織変更に向けて
副編集長の会津藩士です。新年を迎えて社内の運用保守業務も担う私たちにとって、避けては通れない大イベントである次年度組織変更の準備がついに開始となりました。組織変更対応といっても、日々、行っている運用保守業務の言わば集大成というものであり、総合力が試されるイベントだと考えています。新たに入社してくる方にとっては緊張の中で自身の社用メールアドレスが使えない、業務フォルダが見えないということになればそれだけで焦ってしまいかねません。また、社内異動だけでなく関連グループから出向いただく方もいらっしゃいますので、出向元と比較して準備が不足していると思われてしまう可能性もあります。それだけに緊張する対応作業です。しかし、しっかり対応ができていれば日々の業務の基礎となり、「縁の下の力持ち」として業務部門を支えることができます。
今回は自分自身へ気合を入れる意味も込めて「運用保守の大切さ」について、業務観点と組織運営観点の2つについて整理していきたいと思います。
<業務観点での運用保守の大切>
1. システムの安定性と信頼性の確保
運用保守は、システムの安定性と信頼性を確保するために不可欠です。システムが安定して稼働することで、業務の中断や遅延を防ぎ、生産性を維持することができます。特に、企業の基幹システムや顧客向けのオンラインサービスなど、重要なシステムの運用保守は、ビジネスの継続性に直結します。
次に定期的なメンテナンスやアップデートを行うことで、システムのパフォーマンスを最適化し、潜在的な問題を未然に防ぐことができます。また、障害発生時には迅速に対応し、影響を最小限に抑えることが求められます。これにより、顧客満足度を高め、企業の信頼性を維持することができます。
そしてシステムの安定性を確保するためには、運用保守のプロセスを標準化し、ドキュメント化(見える化)することが重要です。これにより、担当者が変わっても一貫した対応が可能となり、システムの信頼性を維持することができます。
2. セキュリティの強化
運用保守は、システムのセキュリティを強化するためにも重要です。サイバー攻撃やデータ漏洩のリスクが増加する中で、システムの脆弱性を定期的にチェックし、必要なセキュリティ対策を講じることが求められます。これにより、自社の重要な情報資産を保護し、法的なリスクを回避することができます。
また、セキュリティパッチの適用やアクセス権限の管理、ログの監視など、運用保守の一環として行われるセキュリティ対策は、システムの安全性を高めるために不可欠です。また、従業員に対するセキュリティ教育を実施し、内部からのリスクを最小限に抑えることも重要です。
一方、セキュリティインシデントが発生した場合には、迅速に対応し、被害を最小限に抑えるための体制を整備することが求められます。これには、インシデント対応のプロセスを明確にし、関係者間の連携を強化することが含まれます。
3. コストの最適化
運用保守は、システムの運用コストを最適化するためにも重要です。定期的なメンテナンスやアップデートを行うことで、システムのパフォーマンスを向上させ、無駄なリソースの消費を防ぐことができます。これにより、運用コストを削減し、企業の収益性を向上させることができます。
また、障害発生時の迅速な対応や予防的なメンテナンスを行うことで、ダウンタイムを最小限に抑え、生産性の低下を防ぐことができます。これにより、業務の効率化を図り、コスト削減につなげることができます。
そして、運用保守のプロセスを効率化し、自動化することで、人的リソースの負担を軽減し、コストの最適化を図ることができます。これには、監視ツールや自動化ツールの導入が有効です。
<組織運営の観点での運用保守の大切さ>
1. リスク管理とコンプライアンスの確保
運用保守は、組織のリスク管理とコンプライアンスを確保するために重要です。システムの安定性とセキュリティを維持することで、法的なリスクや規制違反のリスクを回避することができます。特に、個人情報保護法などの規制に対応するためには、運用保守の徹底が求められます。
定期的な監査やレビューを実施し、システムの運用状況を評価することで、リスクを早期に発見し、対策を講じることができます。また、コンプライアンスに関する教育を従業員に対して行い、組織全体での意識向上を図ることも重要です。
同様にリスク管理の一環として、インシデント対応のプロセスを明確にし、関係者間の連携を強化することが求められます。これにより、インシデント発生時に迅速かつ適切な対応が可能となります。
2. 組織の信頼性とブランド価値の向上
運用保守は、組織の信頼性とブランド価値を向上させるためにも重要です。システムの安定性とセキュリティを維持することで、顧客や取引先からの信頼を獲得し、ブランド価値を高めることができます。特に、顧客データを扱う企業にとって、セキュリティの確保は信頼性の向上に直結します。
障害発生時には迅速に対応し、影響を最小限に抑えることで、顧客満足度を維持することができます。また、定期的なメンテナンスやアップデートを行うことで、システムのパフォーマンスを最適化し、顧客に対して高品質なサービスを提供することができます。
組織の信頼性を向上させるためには、業務観点と同様に運用保守のプロセスを標準化し、ドキュメント化(見える化)することが大変重要です。これにより、担当者が変わっても一貫した対応が可能となり、システムの信頼性を維持することができます。
3. 従業員の生産性と満足度の向上
当然ですが運用保守は、従業員の生産性と満足度を向上させるためにもとても重要です。システムの安定性とパフォーマンスを維持することで、従業員が効率的に業務を遂行できる環境を提供することができます。これにより、生産性の向上と業務の効率化を図ることができます。
障害発生時には迅速に対応し、影響を最小限に抑えることで、例えば従業員のストレスを軽減し、業務の中断を防ぐことができます。また、定期的なメンテナンスやアップデートを行うことで、システムのパフォーマンスを最適化し、従業員が快適に業務を遂行できる環境を提供することができます。
また、従業員の満足度を向上させるためには、運用保守のプロセスを効率化し、自動化することが有効です。これにより、人的リソースの負担を軽減し、従業員がより価値の高い業務に集中できると共に高い業務品質を安定して維持することが可能です。
業務観点と組織運営観点から「運用保守の大切さ」を考えてみました。「できていて当然」と言われてしまう運用保守ですが、業務、組織運用を行う上でなくてはならない「縁の下の力持ち」ということです。ここが揺らいでしまっては、業務、組織運用の推進・管理はできません。しっかりとした作業計画を立案・推進し、PDCAを回すことでより良いものにしていく必要がある、ということだと思います。
(副編集長:会津藩士)
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