DX事例

2025.05.12

保険代理店におけるAIチャットボット活用事例

こんにちは!唐揚げニストです。
今回は、保険代理店におけるAIチャットボット活用について、弊社の事例をご紹介します。

1.概要
2022年11月にChatGPTが登場して以降、注目を集め続けているAIチャットサービスは、現在ではさまざまな分野で活用されています。弊社のような保険代理店でも利用が進んでおりますが、利用開始当初は、スモールスタートとしてTeamsを利用した簡易的なAIチャットボットを内製開発しましたが、利用が拡大するにつれ、専用のWebアプリケーションを内製開発し利用を開始しました。弊社で「i-chat」と呼んでいるこのAIチャットボットの利用状況やその利用の過程で培ってきたノウハウについてご紹介します。

2.利用シーン
・文章作成
一般的な文章作成だけでなく、保険代理店ならではの業務に関する文章作成にも活用しています。一般的な利用方法としては文章の校正、要約、企画案のブレストから作成、校正に利用中です。保険代理店としての利用方法は、お客様からの保険についての問い合わせ時、クレーム発生時、事故対応時のメール文章の作成に利用しています。

・議事録作成
弊社ではWeb会議ツールとしてTeamsを利用しており、Teamsの機能を利用することで会議中の会話についてAIによる文字起こしを行うことが可能です。この文字起こしした文章を適切なプロンプトとともにi-chatに質問することで会議の議事録として活用することが可能です。特に重要な会議では議事録の回覧が必須となり自動で議事録が作成できるようになることで業務効率化を図ることができました。この議事録作成はTeamsだけでなく文字起こし機能を持ったWeb会議ツールなどでも利用可能です。

・企業・市場調査
AIチャットボットは学習時のデータを基に回答を生成するため、学習後の情報には正確に答えられない場合があります。そのため、追加の情報をプロンプトに与えることでWeb上のデータを参照して回答を生成させます。i-chatではプロンプトの中に特定の情報を加えることによりweb上のデータを参照して回答をすることが可能です。弊社ではこの機能を利用することで営業担当者が保険営業先の企業情報や市場情報を調査する際に使用しています。

・ファイル参照
AIチャットボットはデフォルトではファイルを読み込んでその内容を利用した回答を行うことができません。i-chatでは様々な種類のファイルを読み込むことができるので、エクセルデータを読み込ませることでデータの分析を行うことができます。例えば、月ごとのある保険契約の推移表を読み込ませることで分析を行っています。さらに、前述のAIによる文字起こししたテキストファイルやWordファイルをそのまま読み込ませることで議事録の作成や、企画案の校正もファイル単位で行うことができます。

・画像認識
前述の機能とは少し毛色が違いますが、弊社では車両のナンバープレート読み取りの自動化対応を生成AIを利用して行っています。これは入力フォームに自動読み取り機能を実装し写真を撮影する、またはファイルをアップロードすることでナンバープレートの情報がフォームに自動入力される仕組みです。この機能を導入した背景には生成AIによる文字認識精度が十分に向上してきたことがあります。今後の取り組みとしては手で入力されたPDFファイルにおける車両の情報を文字起こしできるように対応中です。

3.プロンプト
AIチャットボットの利用として最も影響を与えることの一つは「プロンプト」です。AIやチャットボットの文脈では、プロンプトは何らかの応答を生成させるための指示や入力文を指します。例えば、以下のような形で使用されます。
「この文章を翻訳してください」
「次のような詩を作ってください」
「天気予報を教えてください」
プロンプトはAIチャットボットにどのような応答を生成するかの方向性を与える重要な役割を果たします。プロンプトの具体性や質によって返答の内容が大きく変わることがあります。弊社では誰でも質の高い回答を得ることができるように7つのカテゴリーに分け、合計で30にも及ぶプロンプトをサンプル化して提供しています。i-chatのトップページに配置することで誰でも簡単に利用することができます。参考に「問い合わせ内容への返信」と銘打ったサンプルプロンプトを以下に表示します。

以下の情報を基に、大手保険代理店である伊藤忠オリコ保険サービスのお客さま対応の担当者として、お客さまからの問合せへの返信メールを作成してください。
#返信メールに含めてほしい内容(あれば):
#お客さまからの問合せ内容を完結に要約(複数ある場合は箇条書き)してください
#不確実な内容は含めないでください
#事実と確認された情報のみを記載してください
#お客さまからの問合せ内容:(テキストを貼り付ける)

図1.i-chatサンプルプロンプト選択画面


4.まとめ
今回は、保険代理店におけるAIチャットボット活用事例と題して紹介を行いました。ChatGPTは現在では広く知られるアプリケーションとなりましたが、黎明期には業務への活用に試行錯誤を繰り返していました。最近では、利用可能な業務範囲がほぼ定まってきたことや、導入コストがより安価になってきたことにより、導入検討が比較的容易になっています。弊社の事例をご参考に、AIチャットツールの活用に可能性を感じた場合は、ぜひ弊社のi-chatについてお問い合わせください。 i-chat以外でも生成AIに関することやそれ以外の開発に関することでも、なんでもご相談を受け付けていますので、気軽にご依頼やご相談ください!

(編集者:唐揚げニスト)

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