DX事例
2024.12.23
クラウドサービス(kintone)活用による異動手続き・事故処理業務の効率化【事故処理編】
こんにちは。編集部員の”まんでがんうどん”です。
今回は、「クラウドサービス(kintone)活用による異動手続き・事故処理業務の効率化」(2024.03.18)の最終章として、事故処理に関する事務手続きの業務効率化手法についてご案内いたします。
事故処理には前述の【概要】に記載の通り、スピーディな対応を行うための「エビデンスの整理」が重要ポイントとなっています。また、「エビデンスの整理」を進める上で以下の三つの課題があることをご紹介させていただきました。
<エビデンス整理における三つの課題>
①契約者、保険代理店、保険会社間での情報交換が主にメールを介して行われていること
②情報が契約者、保険代理店、保険会社間で分散して管理されていること
③作業の進捗が可視化されておらず、管理のための追加的な作業が生じていること
そこで、今回は上記の課題をkintoneを活用して、関係会社間(契約者、保険代理店、保険会社)で共通のプラットフォームを構築し
スピーディな対応が可能となった事例をご紹介いたします。
■機能概要
今回、Kintoneを活用して事故処理における一連の事務手続きをワークフロー化および情報一元管理を行うことにより、関係会社間を含む全体的な作業効率化を図ることを目的としてアプリ開発を行いました。
前述の「エビデンス整理における三つの課題」に対する対応策は以下の通りです。
<課題解決策>
①契約者、保険代理店、保険会社間での情報交換が主にメールを介して行われていること
⇒手作業でのメール作成~送受信による情報交換は各社間で手間が掛かります。また添付ファイルのやりとりも時系列に処理しないと差替えモレや連携モレなどのリスクもあります。さらにメール誤送信といったセキュリティリスクも考えられます。
対応策として、kintone上に事故処理アプリを作成することで情報入力後、自動的に対応部署へ通知メールを発信し「ワークフロー化」することが可能となります。また、添付ファイルもアプリに直接アップロードできるため、常に最新版が関係会社間で共有が可能となります。
②情報が契約者、保険代理店、保険会社間で分散して管理されていること
⇒各社が個々に資料を保有し管理しているため、情報のやりとりを行っているうちに更新モレや情報連携モレ等により情報差異が生じていきます。
対応策として、kintone上の事故処理アプリを共同利用することで、「情報一元化」が可能となり、常に最新情報を確認することができます。
③作業の進捗が可視化されておらず、管理のための追加的な作業が生じていること
⇒事故処理の対応状況が可視化されていないことにより、どの部署が処理中なのかなどの作業状況を確認する必要ありますが、このような問合せ対応も相応の手間が掛かります。
対応策として、kintone上の事故処理アプリ内にステータス情報を設け、関係会社が閲覧できることで「進捗状況の可視化」を実現、対応状況の確認作業時間を軽減することが可能となります。
このように、これまで煩雑であった事務手続きが、Kintoneによる共通プラットフォームを構築することより、スムーズかつスピーディな対応が可能となりました。
■kintoneの設定内容
では、三つの課題に対する対応策として実装したkintoneの設定内容を簡単にご紹介いたします。
(1)ワークフロー化(課題①)
kintoneでは「プロセス管理」というワークフロー設定機能がありますが、より柔軟に依頼部署へ回付できるように今回は「レコードの条件通知」を活用しました。
当機能により「レコードが特定の条件を満たしたときに、指定した通知先に通知する」ことが可能となりますので、アプリへ情報入力後は、あらかじめ設定した通知先に対して自動的に通知メールが送信されます。受信者は当通知メールからアプリにアクセスして後続作業を行うこととなります。
「レコードの条件通知」は下図の通り、「レコードの条件」「通知先」「通知内容」(件名)を設定します。「レコードの条件」は、複数条件を設定することが可能ですので、例えば特定条件に合致したときのみ通知メールを送信することもできます。
(2)情報一元化(課題②)
kintoneで作成したアプリは「スペースの管理」機能から利用者アカウントを設定することでアプリを共同利用することが可能となります。
事故処理に必要な情報項目をアプリ内に設定しますが、設定自体も下図の通り、「フォーム」タブから設定したいフィールドを選択してドラック&ドロップすることで簡単に設定することができます。
事故処理に関する情報項目ですので、例えば「事故日」「事故対象物」「事故原因」などのフィールドのほかに、事故処理に必要な書類(PDFファイルなど)の添付ファイルを格納するフィールド(最大1GB)も設定することが可能となります。
(3)進捗状況の可視化(課題③)
kintoneで作成したアプリ内に処理状況を識別できる情報を設定します。例えば下図のようにフィールドから「ドロップダウンの設定」を選択して、「処理状況」として各種ステータスを設定します。
事故処理の情報を入力する際に、「処理状況」のステータスを都度更新することで、現在の処理状況/進捗状況を可視化/共有化することが可能となります。また、上記(1)の設定と組み合わせることで、「処理状況」のステータスに応じて各種通知メールを自動送信することが可能となります。
■関係会社間におけるkintoneの有効活用
今回はkintoneの基本機能を活用した関係会社間の情報共有/作業効率化として「ワークフロー化」「情報一元化」「進捗状況の可視化」の観点でご紹介いたしました。特にメールでの頻繁なやりとりは煩雑かつ情報差異が発生するリスクが高くなりがちです。このように共通のプラットフォームを素早く構築し、運用することが作業効率化や誤処理の発生リスク抑止にも繋がるかと思います。
kintoneにはプラグインも含めてさまざまな機能が用意されており、今回ご紹介した機能以外にも作業効率化に繋がる機能を作成することが可能ですので、是非ご参考にしていただき、日々お忙しい皆さまの一助になれば幸いです。
(編集者・まんでがんうどん)
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