DXコラム
2024.11.25
Windows11への移行準備は進んでいますか?
副編集長の会津藩士です。ご家庭などではWindows11を利用されている方も職場ではまだWindows10のままという方は多いと思います。最近Webニュースサイトでも見かけましたが、Windows10のサポートは2025年10月14日に終了します。そうなのです、実はすでに1年を切っています。
「EOL」というキーワードを見かけたことはありませんか?「EOL」とは”End Of Life”の意味で「Windows10がEOLを迎える」とはマイクロソフトがオペレーティングシステムのセキュリティ更新プログラムや技術サポートを提供しなくなる日を指します。これ以降、Windows10は新しい機能やセキュリティパッチを受け取らなくなります。そのため、ユーザーは最新のOSへ移行することが推奨されます。
EOLを迎えたOSを使い続けると多くのリスクが伴います。主な危険性には以下が含まれています。
<1.セキュリティリスクの増加>
EOL後はセキュリティパッチが提供されなくなるため、新たな脆弱性が発見されても対策が取られません。その結果、システムはマルウェアやハッキングの標的になりやすくなります。特に企業にとって、データ漏洩や情報流出のリスクは大きな脅威となります。
<2.コンプライアンス違反の可能性>
多くの業界では最新のセキュリティ対策を講じることが規制で求められています。EOLを迎えたOSを使用し続けることは、これらの規制に違反する可能性があり、法的な問題を引き起こす恐れがあります。
<3.サポートと互換性の問題>
新しいソフトウェアやハードウェアはEOLを迎えたOSと互換性がない場合が多く、新しい技術を導入する際に問題が発生することがあります。また、技術サポートが受けられなくなるため、トラブルシューティングや問題解決が困難になります。また業務利用しているシステムの稼働要件として「Windows11以上であること」となった場合、急遽、Windows11への移行計画を策定し、余裕をあまりとることができずに大きな負担となって結果、システム障害やこれまでと画面や操作が変わってしまうことで大混乱となるということもあり得ます。
「もう時間がない・・・。Windows11への移行は26年度にしよう。」と安易に考えてはいけません。サポートされない古いOSやシステムを使い続けて悪意ある攻撃者から攻撃を受けてしまったという話はもう何年も続いて発生しています。セキュリティセミナーに私たちも参加することが多いですが、「使っていたシステムを最新化していなかったためにランサムウェアにやられてしまった」という話はほぼ毎回出てきます。今も気が付かない企業さんがいるといわれて、「あり得る話」とセキュリティ担当者の多くが考えていると思います。
まだWindows11への移行検討、計画を立てていない場合は急ぎ計画化すべきで、簡単に3つのポイントをまとめます。
<1.現在利用しているPCのまま、Windows11に移行できるか>
「Windows10のEOL」と同様にPCにもEOLがあります。またあと2年ぐらいは問題ない機器だとしても、Windows11のハードウェア要件を満たしているかの確認が大切です。「あと2年は使えると言われたが、Windows11に移行したら各システム、アプリケーションの起動に時間がかかって困った」ということにならないようにしっかり確認する必要があります。既にWindows11に移行している企業様も多いため、現在利用している機器を購入したベンダー様にヒアリングするのが一番、手っ取り早く、確実です。また、移行に関連したノウハウやアドバイスなどを共有してもらえる可能性があります。
※参考(外部リンク:マイクロソフト社)Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する
<2.現行業務を確認、整理し、データバックアップの範囲を確認する>
なんでもかんでもデータバックアップしていては時間もリソースも無駄になってしまいます。「移行後にデータを戻すのも一苦労」なんてことも以外に良く聞く話です。また、Windows11への移行に向けて社内システムを整理することで無駄を見つけたり、長い間放置されていたシステムなどがあれば廃止計画を立てることも大切です(セキュリティの観点からもとても危険です)。
<3.Windows11移行後の社内利用教育を計画する>
普段からWindows11を良く利用する方にとっては常識でも、PCが苦手だったり業務以外ではあまりWindows11を利用されない方にとってはログイン直後の画面もWindows10とは変わっていて「???」となることも考えられます。勤怠、業務システムを起動する前にPCを触ることから覚えないといけないという人を出さない為にもきちんとして教育計画を準備する必要があります。すべての社員共通のシステムの利用手順について簡単な資料を準備する、レクチャー会を行うなどをWindows11移行以前から行うことがこれまでの経験からも意外に重要だと考えています。
最後にハード、ソフト面での現状確認は想像より多くの時間を要する事がほとんどです。Windows11への移行に合わせてアプリケーションを更新する場合は利用部門やIT部門など業務利用・推進としての利便性、汎用性、またセキュリティ観点からのチェックも必要です。そして社内共通プロジェクトして移行計画を立て、適切にリソースを割り当てます。通常業務とは別に移行計画を行う必要があり、協力して移行していく雰囲気つくりが成功のカギです。また、事前に想定されるリスクなどについても予測と対応策を準備することで「こんなこともあろうかと」ではありませんが、準備に時間を十分かけることでうまく乗り切れることも多いはずです。社内一丸となって移行プロジェクトを進めていく気持ちも忘れずに。
(副編集長:会津藩士)
⇒情報セキュリティに関するご相談はこちらから
【関連記事】
⇒情報セキュリティ対策、どこまでやるの?!
⇒4年連続第1位のランサムウェア攻撃とは?
お問合せ先
事例やコラムに関するご照会、案件に関するご相談やお見積は以下のフォームからお問合せください。