DX事例

2024.10.14

生成AIによるExcelファイル分割作業の効率化

こんにちは。編集部員の”まんでがんうどん”です。

今回は生成AI(※)を利用したExcelのVBAマクロによるファイル分割ツールの作成方法をご紹介いたします。
みなさまもExcelを活用し、さまざまなデータファイルを作成しているかと思います。例えば、Excelシート内の店舗単位の売上情報を、店舗毎にファイルを作成して売上情報を転記するといった作業だと、「店舗単位にフィルタで絞り込みし、新しいファイルへコピペして保存」を繰り返し行う、と大変手間がかかります。「PowerAutomate for Desktop」や「Excel VBAマクロ」でツール化すれば効率的に処理できますが、プログラミングのハードルが高いと思われている方も多いかと思います。

そこで、今回は生成AIを活用することで、プログラミングの経験が無い方でも、簡単に「Excel VBAマクロ」によるファイル分割ツールを作成できる方法をご紹介いたします。
※生成AI環境は弊社独自で構築したchatGPT利用環境を利用しております。弊社では「自社専用のchatGPT利用環境構築サービス」を提供しておりますので、ご興味のあるかたは是非弊社までお問い合わせください。

 

■機能概要

今回作成するツールは、Excelシート内のA列に設定されている情報をキーとして、新規ファイルを作成~振分するツールです。
例えば、店舗名をキーとした売上一覧(シート)を店舗単位にファイル作成し売上情報を振分することができます。

 

■生成AIによるツール作成方法

生成AIによるツール作成方法をご紹介いたします。今回は生成AIとプロンプトで対話しながらツール作成を進めたいと思います。

 

(1)生成AIへのプロンプト入力
まず、生成AIに対して、「役割」と「依頼内容」(作成したいツールの概要)をプロンプト入力して実行します。
この段階で具体的な条件などを追記することで、より精度の高いプログラムを生成することができますが、下記サンプルのように漠然とした記述でも、生成AIは「依頼内容」に応じたプログラムを提案してくれます。

<プロンプト入力例>
「あなたはExcelマクロの達人です。ExcelシートのA1列をキーとしてファイル分割するマクロを作成してほしい。」

 

(2)回答内容をもとにExcel VBAマクロを設定して動作確認を実行
上記(1)を実行することで生成AIから回答を得ます。回答内容にプログラムが記載されてますので、Excelファイルのマクロにプログラムをコピー&貼り付けし、問題なく動作するか確認します。

 

Excel VBAマクロの利用方法が分からない方にも下図のように回答画面に利用方法が表示されますので安心です。

 

今回の例では、1行目もファイル分割されてしまい不要なファイルが出来ていましたので、生成AIに修正指示を行います。

 
 

(3)修正点のプロンプト入力
上記(2)で検知した修正事項(不要ファイルを作成しない)の指示をプロンプト入力します。
下記サンプルのように簡単に記述することで、改善したプログラムの提案を得ることができます。

<プロンプト入力例>
「Excelシートの1行は見出し行なので分割不要です」

再回答で得たプログラムをマクロにコピー&貼り付けし、再度動作確認を行ないます。

今回はこれで期待した動作を確認することができましたのでツール作成完了とします。
このように、繰り返し修正/改善したい点を対話形式でプロンプト入力することで、指示内容に応じたプログラムを得て、希望通りのツールを作成することができます。

 

生成AIを活用したExcel VBAマクロの作成方法は以上となります。

 

■生成AIの有効活用

今回は、生成AIを活用したExcel VBAマクロによるファイル分割ツールの作成方法をご紹介いたしました。
このように生成AIをうまく活用することでExcel VBAマクロのプログラム作成の経験が無い方も簡単に作成することができます。
また、生成AIを利用する利点としては、ツールの仕様を最初に固めていなくても、対話形式で繰り返し要求を与えることで生成AIが要求に応じたプログラムを提案してくれますので、イメージにあった処理結果が得られるかを確認し、スピーディにツールを利用できることです。
生成AIにはさまざまな利用用途がございますので是非お試しいただき、日々お忙しいみなさまの一助になれば幸いです。

 
 

(編集者・まんでがんうどん)

 
 

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